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2 育児休業(パパ・ママ育休プラス)

 育児・介護休業法(育介法)関係

 育児休業を取得できる場合

次の1~3の条件すべてに該当する場合に取得できます。

日々雇い入れられる者ではない

有期契約労働者の場合は、次の2つとも該当する場合
① 同一の事業主に引き続き1年以上(=直前の1年間)雇用されている
② 子が1歳6か月になる日の前日までに雇用関係が満了することが明らかでない

労使協定で除外対象とされていない

(労使協定で除外対象者と定めることができる範囲)
・ その事業主に引き続き1年以上雇用されていない(=1年に満たない)
・ 育児休業を申し出る日から1年以内(1歳~1歳6か月未満の育休については6か月以内)に雇用関係が終了することが明らか
・ 所定労働日数が2日以下/週

 取得可能な期間と回数

原則として、子どもが1歳到達日(=誕生日の前日)までの間で、開始予定日と終了予定日を明らかにした一まとまりの期間、1人の子どもにつき1回、申し出ることができます。

取得できる期間の上限は1年間となりますが、ママの場合は、子の出生日以後の産後休業期間を含めて上限1年間となります。

ただし、育児休業取得の後、(終了予定日までの間に)子が死亡した、子と同居しなくなった、新たな産前産後休業が始まった等の場合には強制終了となります。

 期間についての例外 ~ 1歳2か月まで延長可能な場合

同一の子について、配偶者が子の1歳到達日以前のいずれかの日において育児休業している場合に認められます(詳しくはパパ・ママ育休プラスの欄をご参照ください)。

 期間についての例外 ~ 1歳6か月まで延長可能な場合

以下の「①+②」又は「①+③」に該当する場合に限り、1歳6か月まで取得できます。

① 労働者又は配偶者が、子の1歳到達日において育児休業中
② 子について保育所を申込んでいるが、(1歳到達日後について)当面保育の実施が行われない
常態として、子の養育を行っていて、1歳到達日以降も養育を行う予定だった配偶者が、死亡・負傷・疾病・障害・婚姻の解消・産前産後の期間にあること等の事情により、子を養育することが困難(不可能)となった

 期間についての例外 ~ 2歳まで延長可能な場合【平成29年10月1日法改正】

以下の「①+②」又は「①+③」に該当する場合に限り、さらに2歳まで取得できます。

① 労働者又は配偶者が、子の1歳6か月の誕生日応当日の前日において育児休業中
② 子について保育所を申込んでいるが、(1歳6か月到達日後について)当面保育の実施が行われない
常態として、子の養育を行っていて、1歳6か月到達日以降も養育を行う予定だった配偶者が、死亡・負傷・疾病・障害・婚姻の解消・産前産後の期間にあること等の事情により、子を養育することが困難(不可能)となった

 回数についての例外

 パパの1回目の育児休業が、子の出生後8週間以内(下記参照)の期間にある場合は、2回目の育児休業が認められます。

原則 出生日から8週間後まで
出産予定日前に産まれた場合 出生日から出産予定日の8週間後まで
出産予定日後に産まれた場合 出産予定日から出生日の8週間後まで
※ 産後休業を取得するママには、再度取得の特例は適用されません。

 なお、上記の期間内にパパが1回目の育児休業を取得する場合、事業主さんにおいて、両立支援等助成金の「出生時両立支援コース」が適用できる可能性がありますので、ご検討いただくのも良いと思います。

 そのほか以下の①~⑦などの特別の事情がある場合は、2回目以降の申し出ができます。

新たな産前産後休業又は育児休業の開始により、当該子の育児休業が終了した場合であって、新たな休業にかかる子が死亡又は労働者と同居しないこととなった
② 介護休業の開始により、当該子の育児休業が終了した場合であって、介護休業にかかる家族が死亡又は労働者との親族関係が消滅した
配偶者が死亡した
配偶者が、負傷・疾病・障害などにより子を養育することが困難な状態になった
⑤ 婚姻の解消等により、配偶者が子と同居しないこととなった
当該子が、負傷・疾病・障害などにより2週間以上の期間世話を必要とする状態となった
⑦ 子について保育所を申込んでいるが、当面保育の実施が行われない など

 パパ・ママ育休プラス

 「パパ・ママ育休プラス」とは、決められたルールの範囲内で、(パパ⇔ママ間でバトンタッチするイメージで)1歳2ヶ月まで育休を取得できます、という制度になります。
 下記の①~④のルールを理解して、計画的に取得しましょう。

①【原則】育休はパパ・ママそれぞれ1回ずつ
(例外:パパの1回目を「子の出生後8週間以内」に収めた場合は、パパ2回目OK)

②【原則】パパ・ママとも最長1年間
(注意:ママは産後休業期間(出生日を含む)も合わせて最長1年間)

③④ 1歳の誕生日~1歳2か月までの間の育休については以下の③④が必要
③ 既に相方(配偶者)が育休を取得している(いた)こと

 ④ 遅くても子の1歳の誕生日までに開始すること
パパ・ママ育休プラス イメージ図

パパ・ママ育休プラス イメージ図

FAQ 「パパ・ママ育休プラス取得中に、1歳6か月までの延長事由が発生した場合はどうなりますか?」

1歳に達する日以後の、本人又は配偶者のパパ・ママ育休プラスによる育児休業終了予定日の翌日を、1歳6か月までの育児休業開始予定日とします。

 申出方法と期間の変更

 申出の時期と方法

 原則として、開始予定日の1か月前(子が1歳~1歳6か月の場合は2週間前)までに申し出を行います。
 申出方法は、原則として書面によるものとされ、事業主が認める場合は、ファクシミリメール等でも可能となります。

 事業主は、育児休業の申し出を、事業の繁忙や経営上の理由等により拒むことはできず、申し出を受けたときは、速やかに開始予定日及び終了予定日を労働者に通知しないといけません。
 申出日時点で、開始予定日まで1か月を切っている場合は、事業主は「希望開始予定日~申出日から1か月後(※)の応答日まで」の任意の日を、開始予定日に指定できます。
 ※ 突発的事由(=休業予定開始日の繰り上げ事由と同じ)が生じた場合は、1か月ではなく1週間とされる特例あり。

 休業予定開始日の変更

 1歳に満たない子の育児休業を申し出た場合、開始予定日の前日までに突発的事由(※)が生じた場合に限り、1回に限り開始予定日を繰り上げることができます。
開始予定日の繰り下げはできません。)

(繰り上げが認められる突発的事由)
・ 出産予定日前に子が出生した ・配偶者が死亡 ・配偶者が、負傷・疾病により子を養育することが困難になった ・婚姻の解消等により、配偶者が子と同居しないこととなった ・当該子が、負傷・疾病・障害などにより2週間以上の期間世話を必要とする状態となった ・子について保育所を申込んでいるが、当面保育の実施が行われない

 休業予定終了日の変更

 育児休業を申し出た場合、終了予定日の1か月前(子が1歳~1歳6か月の場合は2週間前)までに、理由のいかんを問わず1回に限り終了予定日を繰り下げることができます。
終了予定日の繰り上げはできません。)

 雇用保険関係

 育児休業給付金

 育児休業開始日から(原則)子の1歳の誕生日の前々日まで(=支給対象期間)の間、一定の要件を満たした場合、育児休業給付金が支給されます。
 ※ 子の1歳2か月(パパ・ママ育休プラス)又は1歳6か月まで育児休業が延長された場合は、支給期間も延長され、逆に育児休業が途中で終了したような場合は、支給もその時点で終了となります。

 育児休業手当金の月額は、休業開始時賃金日額*30日*50%(H26.4.1~ 育児休業開始日から180日間は67%)が上限となりますが、この間、事業主から賃金が受けられる場合は、金額調整(※)される場合があります。

FAQ 「第1子にかかる育児休業給付金を受給中に、第2子を妊娠したのですが、この場合はどうなりますか?」

第2子について産前休業を取得する場合、その産前休業開始日の前日までで、第1子にかかる育児休業が終了する取扱いとなるため、育児休業給付金もその日までの支給となります。

FAQ 「休業開始時賃金日額はどうやって計算されるのですか?」

休業開始時賃金日額は、育児休業開始前(産前産後休業を取得した場合は産前産後休業前)6か月間の賃金を180で割った額となります。

賃金月額は、この賃金日額に30日を掛けた額となりますが、賃金月額には上限・下限があります。
(H30.8.1~)上限額 449,700円・下限額 74,400円
(H29.8.1~)上限額 447,300円・下限額 74,100円

FAQ 「金額調整はどういう仕組みになってますか?」

支給単位期間(=育児休業開始日を起点として、支給対象期間を1か月ごとに区切ったもの)に支払われる賃金と、休業開始時賃金月額を比較して・・

30%以下の場合 ⇒ 休業開始時賃金日額*30日*50%(H26.4.1~ 育児休業開始日から180日間は67%)
30%超~80%未満の場合 ⇒ 休業開始時賃金日額*30日*80%相当額と賃金の差額
80%以上 ⇒ 支給されない

ただし、支給上限額があります。
(H28.8.1~)284,415円(給付率67%の場合)・212,250円(同50%の場合)
(H27.8.1~)285,621円(給付率67%の場合)・213,150円(同50%の場合)
(H26.8.1~)285,420円(給付率67%の場合)・213,000円(同50%の場合)

 育児休業給付金の要件(資格)

 育児休業給付金では、まず①受給資格を確認する手続きが必要で、その後②原則2か月単位で支給を申請する流れとなりますが、要件(資格)については、①の段階の「受給資格」と②の段階の「支給要件」を、それぞれ満たさなくてはいけません。

 ①受給資格

 ○ 1歳未満の子を養育するために育児休業(※)を取得した雇用保険一般被保険者である
  ※ 職場復帰を前提とした育児休業であって、休業取得時に退職が確定(予定)している休業は除く。
 ○ 育児休業を開始した日の前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上ある

 (期間雇用者は、以下の2つも必要です)
 ○ 同一事業主のもとで、1年以上雇用が継続している
 ○ 同一事業主のもとで、子が1歳に達する日を超えて引き続き雇用される見込みである(ただし、2歳までの間に労働契約が終了し、かつ更新されないことが明らかな場合を除く)

 ②支給要件

 ○ 支給単位期間を通して、雇用保険被保険者資格を有している
  ※ 期間内に離職した場合は、(末日離職の場合を除き)その支給単位期間は支給されません。
 ○ 支給単位期間において、就業日数が10日以下(H26.10.1~要件緩和 就業日数が10日を超える場合でも、その就業時間が80時間以下の場合は支給対象)
 ○ 支給単位期間に支払われた賃金が、休業開始時賃金月額の80%未満

 育児休業給付金の手続き

 上記①の受給資格を確認する手続きを先行し、②の支給申請は後から行う方法と、①②を同時に行う方法があります。

 先に①だけ行う方法は、まず「賃金月額証明書」と「受給資格確認票」を育児休業開始日の翌日から10日以内に提出し、後から②の「支給申請書」を(その回の支給にかかる単位期間終了日の翌日以降)育児休業を開始した日から起算して4か月を経過する日の属する月の末日までに提出することとなっています。
 一方、①②を同時に提出する場合は、②の締め切りに合わせて提出すればよいこととなっています。

 2回目以降の支給申請は、原則として2か月ごとに行い、その期限はそれぞれ(その回の支給にかかる単位期間終了日の翌日以降)支給対象期間の初日から起算して4か月を経過する日の属する月の末日までとなっています。

 社会保険料(健康保険料等+厚生年金保険料)の免除関係

 育児休業期間中についても、保険料が免除される制度があります。
 免除期間中でも被保険者資格に変更はありません。

 免除期間は、育児休業開始日の属する月から終了日の翌日の属する月の前月までとなっています。

 なお、産後産前休業の保険料免除期間と重複する場合は、産前産後休業の免除期間が優先されます。

 免除が可能な期間

 育介法で定める育児休業は、原則として子どもが1歳到達日(=誕生日の前日)まで認められるのに対して、社会保険料の免除は、会社独自の制度で育児休業を3歳まで認めるような場合にも、その期間中免除が認められます。

 これにより、「育児休業等取得者申出書」は、「1歳到達日までの免除」「1歳6か月までの免除」「1歳~3歳までの免除」について、それぞれ提出が必要となります。

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