少し前となりましたが、3月限りで愛知労働局の総合労働相談員を退職しました。
まだ少ないながらも「顧問に!!」とおっしゃっていただけるお客さまがいて、そのほか中小事業主さまや一人親方さまの労災保険特別加入などもお受けしていますので、「平日の昼間はご連絡が取れません」という状態はやはり、お金をいただく以上望ましくはないと思い始めたら止まらなかったことが一番の理由でした。
でもこの2年間で、愛知労働局の皆さまには大変お世話になり、本当に良い勉強をさせていただいたことと合わせて、(キャリアコンサルティング風に言うと)自分の思考や方向性を棚卸しできたなぁと、いまはそんな風に感じています。
自分の思考が強く認識できたのは、(経営者さまを含む)一生懸命に働いている人に対しては、素直に尊敬の念を感じたり、応援する気持ちを持てていた点でした。
そういう方が、例えば職場で辛い思いをされているようなご相談には、元々が涙脆いですから同調してしまい、もらい泣きしそうになることも時々ありました。
20代~30代の時分には、楽していい給料がもらえるならそれに越したことは無いみたいな考えがあったはずなのです。もしくは、馬券買っては十万馬券が当たってくれ~みたいな (-_-;) でもそういう考えがだんだんと無くなってきているのですよね。
そんなこんな思っていた矢先、とある方が勧めていた稲盛和夫さんの本を読んでみたら、その思考に近い一節があって、とても共感を覚えました。
「・・物事を成就させ、人生を充実させていくために必要不可欠なことは「勤勉」です。すなわち懸命に働くこと。まじめに一生懸命仕事に打ち込むこと。そのような勤勉を通じて人間は、精神的な豊かさや人格的な深みも獲得していくのです。」 -「生き方(稲盛和夫著)」より引用-
自分は愚かなので、こういう考え方に共感できるようになるまでに、長い年月を要してしまったようです。
その反面と言っては何ですが、やはりモンスター社員の類いは大嫌いでしたね・・・
入社して14日経過を目途にあり得ない行動を取り、(会社さんにもう来なくていいと言わしめておいて)30日分の解雇予告手当を掠め取ろうとか・・・
派遣先の社員に意図的に喧嘩をしかけて(派遣先からこの人来てもらわなくていいと言われるのを待って)派遣元に休業手当を請求するだとか・・・
これをモンスター社員と呼ばずして何と呼べば良いでしょうか!?
心のどこかに “自分は非常勤” だという甘えもあって、こういう方に対しては懇切丁寧な対応もしなかった(やろうにも無理だったとも思います(汗)ですし、こういう方に更に知恵を貸そうとは全く思いませんでした。
そのせいか、おおむね月に1度のペースで『あなたは全然親身じゃない!!』『他の人に代われ!!』などと言われました(汗)が、こういうセリフを吐くような人は(結果的に)ほぼ100%、モンスター社員と呼べるような方でした(これは後に会社さん側に実情を聞く等によりはっきりします)。
こちらとしてみれば、相談内容が親身になれるようなものには程遠い訳ですがw、こういう身勝手な人の一方的な言い分を受動的に聞くことにはかなりの忍耐を要することを(こういうのは市役所時代にも結構ありましたが)改めて感じました・・・
安易に行政を批判して『自分はエラい!!』と勘違いしているような人もたまにいますが、行政では日常的にこういう方にも懇切丁寧に対応していることを、知っておいていただきたい気もいたします。
そんな経験なども経て、いま明確に認識できたのは、「事業主さん及び真面目に働く従業員さんを応援したい」という方向性です。
裏返して言えば、ここには『モンスター社員の類いからこれらの方々を守る』ことも、その一部に含むと思います。
もっとも今は「100%会社側とか、労働者の味方などと宣伝してはならない」と、すなわち “どちらかに偏った姿勢を示してはいけない” といった趣旨のお達しが社労士会から出ている訳ですけども、
「モンスター社員との間に信頼関係が築けない」というのは、普通の人間の素直な感情として当然のことなので許されるものと思っておりますが・・・(汗)
ではまた、ご訪問ありがとうございました (^^)/