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14日前に申し出れば会社を退職できますか?(退職日)

 退職日についての法律はどうなっていますか?

 退職については、民法627条1項が有名過ぎて、何でもかんでも14日前に申し出れば退職可能と考えている方が多いことを実感しますが、法律上は契約や賃金に応じて下記のように分かれています。
(文末の関連条文もご参照ください)

1.無期契約(=期間の定めがない契約)で、賃金が時給や日給の場合
 ⇒ 解約を申し入れて2週間経過すれば退職可能(民法627条1項)

 民法627条は、そもそも無期契約の場合の規定となっていますが、同条2項に期間で報酬を定めた場合や、同条3項に契約期間が6か月以上の場合の規定が存在しますので、この1項の規定は、消去法的に時給や日給の場合が該当することとなります。

 

2.無期契約で、賃金が月額固定制(ex.月25万円と決まっている)等の場合
 ⇒ 期の前半に申し入れれば、その期の終了をもって退職可能(民法627条2項)

 この民法627条2項の解釈は、ちょっと自信ありませんが(-_-;)、条文では「期間によって報酬を定めた場合」という言葉が使われています。

 ここで言う「期間」を素直に解釈すれば、例えば給料が月額固定制で20日〆、すなわち「1月21日~2月20日の労働に対して、2月末日に給料を支払う」ような場合、「1月21日~2月20日」を1つの期間と捉えることができる訳ですから、「2月5日までに申し入れれば、2月20日限りで退職できる(=申し入れが2月5日を過ぎれば、退職できるのは3月20日となる)」と解釈するべき、すなわち給料の〆期間で判断するべきではないか?と思っているのですが・・・

 巷では「月の前半(=○月15日まで)に申し入れれば月末で退職できる」と説明している人も少なくなく、この点は今後の研究課題とさせていただきます。

 差し当たっては、この両方の条件を満たす形、上記の例で言えば「2月末日限りの退職を、2月5日までに申し入れる」形にしておけば無難とは思われます。

 

3.無期契約で、賃金が6か月以上の期間によって決まっている場合(ex.年俸○万円)
 ⇒ 3か月前に申し入れることで退職可能(民法627条3項)

 賃金がもっと長いスパンで決められる年俸制などの場合は、退職3か月前に申し入れることが必要となっています。

 

4.有期契約(ex.○年4月~翌年3月の1年契約)で、“やむを得ない事由”があるとき
 ⇒ 直ちに退職(解雇)可能(民法628条/労働契約法17条1項)
 ⇒(逆に言えば)“やむを得ない事由”が無い限り、期間内は退職(解雇)できない

 ただし、(一定の事業の完了に必要な期間の契約の場合を除き)1年を超える契約の場合は、1年を経過した日以後、労働者はいつでも退職可能(労働基準法附則137条)

 有期契約の場合、やむを得ない事由があれば直ちに退職(解雇)可能とされている訳ですが、そもそも“やむを得ないかどうか”、個々の事案毎の判断となりますし、労使間でその解釈が異なり、争いとなる場合もあり得ます。

 使用者サイドとしては、天災地変等によって事業の継続が不可能となったような場合が考えられるでしょうし、一方の労働者サイドとしては、例えば、失業保険の受給に際して特例扱いとなる「特定受給資格者と特定理由離職者の範囲と判断基準」の中に、正当な理由が認められる自己都合退職の例のようなものもございますので、目安にされるのもよいのではと思います。

 また“やむを得ない事由”が過失によって生じた場合に、損害賠償責任が生じる点にも留意が必要です。

 

 就業規則(雇用契約)では30日前までに申し出ることになっていますが、それでも退職できますか?

 退職の申し出については、就業規則や雇用契約の中で、「30日前までに申し出る(=以降「特約」と表示します)」等となっていることがむしろ大半だと思いますが、そういう場合に「民法に基づいて(特約を無視して)退職できるか?」という問題があります。

 お答えとしては「民法に基づいて退職することは可能だけども、その退職は特約を無視=契約を違反したものとなるため、契約違反の点を指摘・追及されるリスクが残る」ということになろうかと思います。

 

 「退職を(民法の規定を超えて)30日前とか3か月前とかに申し出る旨の就業規則や雇用契約が法的に有効かどうか」については、民法の規定をさらに延長できないとした地裁の判例はあるけれども、それが絶対的なものとして広まっていない状況、

またこれを「(辞める従業員の)代わりを見つける必要がある」という事業主側の視点で捉えた場合、「募集⇒履歴書受領⇒書類選考⇒面接⇒採用⇒事前引き継ぎまでを14日で完結させることは現実的に困難」であることから、『30~90日前程度であれば(特約として)許される範囲でしょ?』と考えられることが少なくなく、結果的にそういった規定が世に多く存在している状況なのだと思われます。

 

 就業規則(雇用契約)を守らないことのリスク

 したがって、特約に従わずに辞めたような場合は、その後何も言われないまま過ぎていくこともあれば、契約違反を理由として懲戒処分が発動されたり、契約違反に端を発した損害の賠償を請求されたりといったことが発生するリスクは残るということになります。

 よくお聞きする例としては、「新しく人を募集しないといけないので、募集にかかる費用一式を賠償請求すると言われた」とか、「あなたの代わりに働いてもらう人の人件費を賠償請求すると言われた」とか・・・

 これに対しては、法律に従って辞めたに過ぎないので、募集にかかる費用は本来的に事業主が負担するのが当然と主張したり、代わりに働いてもらう人の人件費などは、(賃金の高い低いはあるにせよ)従前は自分が貰っていた賃金を、新しい人に払うことになっただけであって、損害等は何も発生していないと主張していくことが考えられます。

 また、「特約に違反して退職したので、そのペナルティ(懲戒処分)として、退職金を○万円減額される」ようなこともあるかもしれませんが、こういう場合は特約そのものの効力を争う必要がある、難しい事例となるかもです。

 その他、会社に損害が現実に発生したのであれば、(それが辞めた従業員か、在籍中の従業員かにかかわらず)会社は賠償請求が可能です。
 それが例えば、その従業員が特約に違反して辞めたことによって(その従業員が担当等していた)商談が不成立になった等の場合であれば、賠償請求されるリスクが高まる可能性もあります。

 

 どちらにしても、①賠償請求は、(どこかに答えが転がっているような問題ではなく)その都度当事者間で解決すべき民事の問題となること、②請求されただけの段階は、まだ請求通りに賠償しなくてはならないと決定した段階ではないこと、を踏まえておく必要があると思います。

 そもそも、民法の規定に沿った形で退職した後に、特約違反の退職そのものを理由とする懲戒や賠償請求を受けたような場合であれば、仮に出る所に出て白黒をつけるとしても(前出の判例等からも)従業員側が勝てる可能性も無くはないと推測されますので、納得いかないような場合は、まず労働相談なり法律相談なりを受けられるのがよろしいかと思います。

 

 まとめ

 以上まとめますと、退職に際して特約が存在する場合は、
その特約に沿った形で退職する方が、紛争回避の観点からは無難である
② 諸般の事情によりそれまで待てないような場合は、冒頭の1~4の民法の規定に沿った形(←ここが大事。ここを守ってないと、後で退職は正当と主張する根拠が乏しくなります)でエイッ!と退職してしまう
③ ②によって退職した場合で、その後会社から、受け入れ兼ねるような主張(ex.高額の賠償請求)をして来られそうな場合は、労働相談や法律相談を受けて対応を検討してみる、といったスタンスでよいのではと思われます。

 そもそも双方の合意があれば、円満退職が可能な訳ですので、労使とも歩み寄って解決を目指す姿勢も大事と思います。

 以上となりますが、最後は自己の責任においてご判断ください。

 

期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
民法第627条
 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
2 期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
3 6箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三カ月前にしなければならない。

(やむを得ない事由による雇用の解除)
民法第628条
 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

労働基準法附則第137条 期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が1年を超えるものに限る。)を締結した労働者(第14条第1項各号に規定する労働者を除く。)は、労働基準法の一部を改正する法律(平成15年法律第104号)附則第3条に規定する措置が講じられるまでの間、民法第628条の規定にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。

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