今年の4月頃から、LGBT関連の話題を目にすることが多くなったと感じます。
最初に目についたのは、私が大!大!大ファンのB.Springsteenが、米国ノースカロライナ州でのコンサートを州に抗議するためにキャンセルしたというニュース。
「ん、Bossは何を訴えてるんだ!?」と思って読んでみると、どうやらトランスジェンダーの人に対して使用する側のトイレを強制する州法に反対してとのこと。
ブルース・スプリングスティーン、LGBT差別法に反対し公演を中止
でもこの時点では『まぁ米国のことだから、そういうのも深刻な問題なのかなぁ…』程度の印象でした。
その後、(前回の記事にも書いた)キャリコン養成講座を受けたとき、(同じ受講生として)セクマイ(=セクシュアルマイノリティ)カウンセラーの方とご一緒させていただきました。
そして、講座の中で互いに発表等する中で、昨年電通ダイバーシティ・ラボが約7万人に対して「LGBT調査」を行った際の(LGBT層の)比率が7.6%≒13人に1人だったことを聞いたのです。
カミングアウトしない人がまだまだ多いとしても・・・自分の想像を大きく上回っておりました(-_-;)
労働相談本の類いでは、更衣室やトイレの関係で、T=トランスジェンダー(上記調査では0.7%)の人への望まれる対応等が載っていたりはしますがが、そんなこんな思ってた矢先、愛知ヤクルト工場での事件が大きく報道されました。
2016年6月20日 中日新聞朝刊
「愛知ヤクルト工場」(愛知県日進市)に勤務する県内の四十代の会社員が、性同一性障害の全従業員へのカミングアウト(公表)を強要されるなど、不当な対応で精神的苦痛を受けたとして、工場に330万円の損害賠償を求めて近く名古屋地裁に提訴することが分かった。代理人弁護士によると、性的少数者(LGBT)の職場でのカミングアウトを巡る訴訟は全国でも例がないという。
会社員は戸籍上は男性だが、心の性は女性。2014年1月に性同一性障害の診断を受けた。現在は性別適合手術に向け、ホルモン治療などを進めている。
会社員らによると、診断後、女性名に戸籍を変更し、5月になって保険証や年金手帳の書き換え手続きのため、上司に改名を報告。男性用以外の着替え場所を求めた。他の従業員への発覚を恐れ、職場では男性名の使用継続を希望したが、工場側は報告した翌月から工場内の掲示物の名前などを女性名に書き換えた。
さらに、役員用更衣室と男女双方が利用する来客用トイレの使用を認める代わりに、全従業員への公表を要求。6月中旬、会社員は朝礼で3回に分けて計140人の全従業員に性同一性障害であることを公表させられ、不眠や抑うつ状態になったという。昨年1月にはうつ病と診断され、3月に半月ほど休職。復職すると、窓や空調設備のない部屋で一人で作業するよう命じられたといい、会社員は「『追い出し部屋』で事実上の退職勧奨」と訴えている。
LGBTの職場環境を巡る訴訟では、昨年11月に戸籍上は男性だが女性として勤務している経済産業省の職員が、女性トイレの使用など処遇改善を求めて国を訴えたケースがある。
◆強制でなく本人同意
<愛知ヤクルト工場の話>職場での氏名の変更は本人の申し出によるもので、通称名を許可しないと拒否した事実はない。職場での公表は特別な配慮をする以上、情報を開示して他の従業員の理解を得るのが職場全体の協力体制につながるという判断から打診した。ただし強制ではなく、本人は同意し、自らの意思と言葉で公表した。昨年3月の復帰以降の職場環境も劣悪ではない。人格権を侵害したり、安全配慮義務を欠いたりした事実はないと考えている。
<工場の親会社・ヤクルト本社の話>工場の対応は適切だと考えている。
記事を読む限りでは、公表が強制だったか自発的だったかどうか、(強制だったとされた場合に)人権侵害が認められるか、個室で作業を命じた点がパワハラに該当するかどうかあたりが争点となるのではと思われるのですが、
会社が実際にこういった事例に遭遇した場合で、設備的な対応を求められたような場合は、それはスペースや財源の問題もあって簡単でないことも容易に想像できますが、それでもまずは十分に意見交換するのが大事に思います。
そこから1週間後の6月27日、今度は厚労省が労働政策審議会の分科会を開いて、職場でのLGBTの方への差別的な言動がセクハラに当たることを、均等法に基づく事業主向けの「セクハラ指針」に明記することを決めたと報道されました。
来年1月施行とのことです。
私の感働きとしては、あと5年もすれば「性的少数者である労働者の受け入れに対応するための施設・設備の新設(改修含む)に対する助成金」みたいな制度が出来てくるのではと思いますねぇ。
施策の方向性そのものは既に確定してると思います。
ではまた、ご訪問ありがとうございました (^^)/